冬の自然観察会にて
2月12日に、知床半島基部の林で歩くスキーによる自然観察会を開催しました(担当、村上学芸員・内田学芸員)。この林は夏にくると大変な藪でダニの天国です。しかし、この時期は雪に覆われていて、歩くスキーでのんびりと動物たちの痕跡や冬の木々の観察ができるのでした。しかも、知床国立公園内に比べてエゾシカの密度がずっと低く、若い木がたくさん見られます。太い木は少ないですが、世界遺産地域よりも豊かな森といってもよいかもしれません。今回の観察会では、キツネ、クロテン、イイズナ、ヤチネズミ類の足跡や、ノリウツギ、ドロノキ、カシワ、イタヤカエデ、オノエヤナギなどの冬芽を観察しました。オオアシトガリネズミの死体も発見しました。キツネに捕まったのに、臭いがくさいので捨てられたのでしょう。途中で海岸に出たところ、今日は流氷が遠ざかっていてすごい大波が来ていました。じつは、この観察会の直後から低気圧の影響で斜里は暴風雪になったのでした。その直前で観察会ができてほんとうに運が良かったです。