開館を待つお客さん
知床博物館の玄関に開館前から並んでいるお客さんがいました。お客さんはキタキツネです。寒い朝だったので、雪のない玄関先でひなたぼっこでもしていたのでしょうか。人が近づいても逃げないので、人に慣れた個体とわかりました。キツネは冬にエサが少なくなると、人家近くにあらわれてゴミなどをあさることがあります。もともと観光客からエサをもらっていたキツネのように人に慣れた個体では、他の場所に行っても人から逃げないのです。おそらくこのキツネはどこかでエサをもらっていて、冬にエサを求めて斜里の市街地にやってきたのでしょう。キツネはエキノコックス症という寄生虫病を人間にもたらすため、エサやりをしないことはもちろんゴミを利用させないことが大切です。キツネにエサを与えた人間がいけないのですが、玄関先からはどいてもらいました。(文・写真 村上隆広)